身代わり姫
大きなドアの前には二人の兵隊が立っていて、領主がドアの前に立つと黙って開けてくれました。


「さあ、お入りくだされ」


領主に促されて室内に入ったレオノーラは、何とか唇は閉じたものの、うわあ、と叫びそうになりました。

天井には優雅な絵が描かれ、天使様が舞っています。数々の装飾品のキラキラした輝きに、目が眩みそうでした。



あ! いけないいけない。こんなにぽかんとしていては、パメラ様に叱られてしまう。


レオノーラは何でもないような顔をして、これまた豪華なテーブルの隅にちょこんと座っているパメラの後ろの椅子に座りました。


「国王様とグラディス王女が参られます。しばしお待ちを」


召使いのおじいさんが丁寧に頭を下げ、そっと部屋を出て行き、レオノーラ達3人は広い部屋で静かに待つ事になりました。


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