身代わり姫
かっちかっち……。
  かっちかっち……。


規則的な時計の音を聞いていると、レオノーラは段々眠たくなってきて、こしこしと目を擦りました。


ああ、まだなのかなあ。退屈だわ。

胸元の水晶を見ると、彼も飽きてきたのかふるふると震えています。


はああ、眠たい。

レオノーラが小さく欠伸をした時でした。



「国王様、王女様のお出ましでございます」


高らかな兵士の声がしました。


ゆっくりと扉が開きます。


王様がいらっしゃったのね?
ああ、一気に緊張が戻ってきたわ。


レオノーラは慌てて椅子から立ち上がり、パメラがしているように深く頭を下げました。





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