School days★
出会い
私、佐江木杏奈は、今日から新しい中学生へ通う。
14歳の中学2年生で、やっと中学校というものに慣れた頃、転校することになったのだ。
理由は、父にある。
いつからだろうか、父は夜遅くに帰ってくることが多くなった。
父の服からは、浮気相手が付けていたものだろうと思われる香水のにおい。
日に日にそれは酷くなっていくばかりだった。
母はそれに耐えられなくなり、離婚を決意した。
そうなると女で一つで私を育てなきゃいけない。
お金が必要だったのだ。
だから、地方に住んでいた私たちは、なくなく地元を離れ、東京への進出を決意した。
そして、今日から私が通う中学校は、共学で中高一貫校らしい。
新しい制服は、憧れだったブレザーにチェックのスカート。
さすが東京の学校という感じだ。
そんなことをしていると、
『杏奈~!!時間よ、早く降りて来なさ~い。』
と母が呼んでいるみたいだ。
「うん、今行く~!!」
私は荷物を持って、下へ降りた。
外では母が車を用意して待っていた。
『杏奈。その制服、似合うわね。』
「本当!?この制服気に入った~♪」
『良かったわね。』
そんなことを話していると、あっという間に学校に着いてしまった。
『一緒に行けなくてごめんね。一人で大丈夫?』
そう、母は仕事があるため、一緒には来れないのだ。
「全然大丈夫っ★じゃあ、行ってきます。ママもお仕事頑張ってね。」
そう言って、車から降りた。
車が見えなくなるまで見送り、さっそく学校へ入ろうと思った。
しかし、私が見たものは学校とは思えないとてもキレイで大きな建物。
少しの間、驚いているとこの学校の生徒だと思われる男の子に声をかけられた。
『転校生…?』
「はい!!」
その男の子は、だてメガネだと思われるシャレたメガネをかけていて、何となくどこかで見たことがある気がした。でも、その時私は、そんなことを気にもしなかった。これが運命ということも知らず……
その男の子と意気投合してしまい、少し話した後、一緒に校内へと向かった。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop