★エスコイ★
エスコイ
「秋くんおはようー♪」
「秋、今日はケーキ焼いてきたんだけどっ…」
学校に着いた瞬間
あたしの顔が一瞬にして
不機嫌になる。
『何、あの子。なんで秋くんと登校してんの?』
『最近よく一緒にいるよね』
周りからはそんな声まで
聞こえる。
あたしが彼女だからに
決まってるじゃん!!!
……って言っても、
みんなあたし達が
付き合ってることを
知らないから仕方ないよね。
あー…
なんか自分で考えてて
悲しくなってきた。
―――ドンッ!
「痛っ…」
あたしは秋くんの周りに
いる女の子に突き飛ばされた。
「――――っッ!」
女の子達に囲まれている
秋くんを無視してあたしは
教室に走った。