★エスコイ★
「あ…秋くん!」
「宮坂…」
帰り、思いきって
声をかけた。
「あの……」
言おうって思ってる
のになかなか言いだせない
茜も河野くんも
応援してくれてるんだ。
ちゃんと伝えなきゃ。
「あ…秋くんが悪いんだからねっ!!」
「は?」
あ。間違った。
いや、間違っては
いないんだけど……
秋くんはぽかんとした顔でこっちを見ている。
も…もういいやっ!
「秋くんが他の女の子と楽しそうに喋ってるからっ」
「あたしっ彼女になったのに、いっぱい告白とかされてるし」
ああもう自分で
何言ってるか分かんない
「こんなこと言うと面倒くさいって思われるかもしれないけど……」
「そんなことか」
……え?
「そ、そんなことって…!」
あたしはすごい
悩んでたのにっ
「ほら、行くぞ」
「え?どこに?!」
秋くんはあたしの手を
引っ張って校舎から外に出た。
一体何なんだー!!