★エスコイ★


な…何か出てきたらどうしよう……。


あたしは河野くんの手を
もっと強くにぎった。


「宮坂…手痛い。」


へ?


「ごめん!でも我慢してよね!」


そんな事言われても怖くて手が離せない。


―――ガサッ…。


ビクッ。


何か今音した!!


「河野くん!もう走ろう?!」



歩いてたらよけいに怖いし!



「無理。」


「えっ何で?」



何で怖くないの!?


ガササササッッ――!!

ぎ……


「ぎゃあーーーーあっっ!!!熊ーーー!!!!」



「ちょっ!宮坂!これ熊じゃないから!熊だけど先生だから!!」


河野くんが叫んでくれているのにあたしはダッシュした。


助けてーーーッッ!!

もうやだよーー!




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