やきもち王子
秀…なんて言うのかな?
視線をそっちにやると秀はため息をついた。
どきっと心臓がなって、少し不安になる。
「はるが彼氏連れてくるのが気に入らない
からって俺を試すようなことばっか言わないで下さいよ」
え…?
意味がよくわかんないんだけど……
なんで爽兄が秀をためすの??
混乱したわたしが爽兄を見ると
爽兄は久しぶりに見た不機嫌MAXの顔で舌打ちをした。こ、怖い……!!
「お前キライ」
「はるの彼氏は皆嫌いなんでしょ。」
「……お前ははる捨てんなよ。」
「捨てるとかありえないですから」
秀と爽兄はしばらく睨み合ってたけど
爽兄がまた舌打ちをしてダルそうに家に
入っていった。
よくわかんないけどとりあえず危機は
まぬがれたって感じ…?;
秀がゆっくりと息をはいて、わたしに
困ったように微笑んだ。
「お兄さん、シスコン入ってるよね」
「え!?」
入ってないでしょ!?
だって爽兄のわたしに対する扱い最悪だよ?;
まぁいいけど。と呟いて秀が歩きだしたのでわたしは慌てて後を追った。
「ねぇ、爽兄のどこがシスコンなの?」
秀はちょっと笑っただけで答えてくれ
なかった……
全然意味わかんない……
まぁでも爽兄と秀なんかちょっと仲良く
なった…のかな?
とか考えてる間に秀がはるか遠くに!!
わたしは慌てて追い掛けた。