やきもち王子
美和がこんな表情をしているのは珍しい。
ぼーっとしていることだっていつもは
あんまりないのに、今日はなんだか様子が
おかしい。
「美和……
なんかあった…?」
わたしの言葉に美和が視線をあげる。
でもいつもの真っ直ぐな瞳はとても不安げ
だった。そして、みるみるうちにその大きな瞳に涙がうかぶ。
「……わたしも、さいていなの…」
美和の小さく震えた声がわたしの心臓を
ぐらぐらとゆする。
「美和……、どうしたの……?」