やきもち王子


わたしの話しを美和は黙って聞いてくれた。

「そっか、


わたしのせいでごめんね?」


「ううん!美和は悪くない!!」


美和は全然悪くない。
わたしが勝手にしたことだし、
秀を怒らせてしまったのもわたし。


「わたしもう大丈夫だから、
本当のこと教えてあげて?」

「い、いの…?」


当たり前でしょ!ごめんね、と笑った美和はいつも通りの優しくて大人な美和だった。


本当のこと言わないで秀に隠し事したりして、そのくせ無神経に何怒ってるの?なんて聞いたりして、

秀は聞いたらわたしが困るだろうから嫌だって思っても、理由聞かないでくれてたのに……


わたし、最低だ……。



わたしに比べて美和も、秀も大人だ。

自分の心よりわたしの心を大切にしてくれてる。


わたしは…自分の心ばっかりだ。


わたしはパンと、両手で頬を叩いて立ち上がった。


今、できる限りのことをしよう。
秀みたいに上手に相手の気持ちを大切に
できない分、不器用でも精一杯がんばろう。

せめて、不安になんてさせないよう、
自分の気持ち伝えよう!




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