やきもち王子

携帯を掴んで家を飛び出す。

アドレス帳から
秀の名前を探して電話をかけた。



プルルル−
プルルル−



何度か呼び出し音が鳴ってから、
秀の声が聞こえた。


「、はる…？」


小さくて心なしか震えているような声だった。

てっきり怒っているだろうと思ったので、
予想外の弱々しい声に胸がしめつけられた。


「あのね、秀…

話したいことがあるの……



今から会えないかな？」



近所の公園で待ち合わせをして、電話を切った。


待っている間、秀が来たらなんて言おう？どうやって説明しようって考えてた。


でも、走ってきた秀を見た途端そんなの
全部飛んでしまった。



なんで……


そんなに泣きそうな顔してるの……？