やきもち王子
すぐにわたしを見つけた秀と目があった。
心臓が早くなる。
謝らなきゃ……
「あ、の…秀、」
なんて言おう、なんて言おう。
言葉が見つからない。
「困らせてごめんな?」
「え、」
自然と俯いてしまっていた顔をあげると
寂しそうな、困ったような顔をした秀が
いた。
もう聞かないからっていうその声が、瞳が悲しそうに濁っていた。
それを見た途端堪らなくなって、わたしは秀の首に腕をまわしてぎゅっと引き寄せた。
「っ、はる!?」
慌てる秀を黙らせるようにわたしは
さらに強く抱きしめた。