やきもち王子
遠くからみていた中村くんはもっと余裕があって、冷静で冷めた感じの人かと思ってたけどそれは違ったみたい。
今わたしの目の前にいる中村くんはなんだか身近に感じられた。
「はるー!
なに頼むか決まった?」
「あ、わたし
オレンジジュース!中村くんは?」
「あ、俺はアイスコーヒー」
◇
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので
すっかり日は暮れてしまった。
「わー、もう帰るの嫌だなぁ!」
「最初は帰りたがってたくせに~」
「あはは…」
美和を送って行くという矢崎くんたちに別れを言った。
中村くんにも別れを言おうと振り返ると、
中村くんは表情を固くしていた。
「中村くん?どうかした?」
「…………栄井さん!
俺と、 付き合って下さい!!」