やきもち王子


遠くからみていた中村くんはもっと余裕があって、冷静で冷めた感じの人かと思ってたけどそれは違ったみたい。

今わたしの目の前にいる中村くんはなんだか身近に感じられた。


「はるー!
なに頼むか決まった?」

「あ、わたし
オレンジジュース!中村くんは?」

「あ、俺はアイスコーヒー」





楽しい時間はあっという間に過ぎるもので
すっかり日は暮れてしまった。


「わー、もう帰るの嫌だなぁ!」

「最初は帰りたがってたくせに~」

「あはは…」


美和を送って行くという矢崎くんたちに別れを言った。


中村くんにも別れを言おうと振り返ると、
中村くんは表情を固くしていた。


「中村くん?どうかした?」


「…………栄井さん!





俺と、 付き合って下さい!!」



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