やきもち王子
ところが中村くんは
わたしの予想に反してにっこりと笑った。
「栄井さんが嫌だって言うなら
コイツらとつるむのは今日で
おしまいだね。」
「…………へ?」
「な、おい何言ってんだよ秀吾!!
テメェも意味わかんねーこと
言ってんじゃねぇよ 栄井!!」
ひぃっ!!
江口くんがわたしの方へ
怖い顔で近づいてくる。
「江口。
栄井さんに近づかないでくれない?」
「…は?何でだよ?!
お前今日おかしいぞ!!」
中村くんは視線を江口くんから
わたしに移して優しく微笑んだ。
「俺 栄井さんが好きなんだ。
だから 好かれるためなら
何だってする。」