やきもち王子






「しゅーご!


しゅうごかぁ……」


「何?」



帰り道、外はもう暗くて
お互いの顔もうっすらしか見えなくて、
自分のはく白い息がやけにはっきりと
見えた。



「秀吾だと……


江口くん達も呼んでるよね?」

「うん?」



秀吾が首をかしげるのがわかった。


みんなは秀吾のこと格好いい!って
言うけどこういう時わたしは
秀吾は格好いいより可愛いって思うんだ。




「うん。



わたしやっぱり秀って呼ぶ!!」


「え、」



わたしだって

好き!って伝えたい。




「えへへ、わたしだけ!」



わたしが言ったとたん秀がぴたっと
足を止めた。





え!?

だ、駄目だった!!?



わたしだけ とか


うざかったかな!?


わわわ……



どうしよう;

やばい恥ずかしいよ……!



一気に不安になってしまう。




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