やきもち王子
◇
「しゅーご!
しゅうごかぁ……」
「何?」
帰り道、外はもう暗くて
お互いの顔もうっすらしか見えなくて、
自分のはく白い息がやけにはっきりと
見えた。
「秀吾だと……
江口くん達も呼んでるよね?」
「うん?」
秀吾が首をかしげるのがわかった。
みんなは秀吾のこと格好いい!って
言うけどこういう時わたしは
秀吾は格好いいより可愛いって思うんだ。
「うん。
わたしやっぱり秀って呼ぶ!!」
「え、」
わたしだって
好き!って伝えたい。
「えへへ、わたしだけ!」
わたしが言ったとたん秀がぴたっと
足を止めた。
え!?
だ、駄目だった!!?
わたしだけ とか
うざかったかな!?
わわわ……
どうしよう;
やばい恥ずかしいよ……!
一気に不安になってしまう。