やきもち王子
秀は赤く染まった空を見ながら、
ぽつぽつと話し始めた。
「はるは自分のこと平凡だって思ってる
みたいだけど、全然違うよ。
意思が強くて、はきはきしてて、
自分の気持ちに正直で……
俺にないものいっぱい持ってる。
だから俺はいつも誰かにはるを
奪われちゃうんじゃないかって不安なんだ
はる はお姫様にぴったりだと思うよ。」
いつも不思議だった。
どうしてだろうって。
ぼんやり思ってた。
どうして秀はわたしを好きになって
くれたんだろうって。
理由がわからなくて、
だからいつもなんとなく不安だった。
でもそれを聞く勇気がなくて、
今なら聞ける……?
答えてくれるのかな…?