やきもち王子
胸がしめつけられた。
今まで抑えてた感情が溢れ出る。
「秀、すきぃー」
「ん、俺も。」
「わ、たし好きになりすぎちゃうかも…」
「なってよ。
それでも全然俺のはるを好きな気持ちには
かなわないんだからさ」
そんなこと言われたら涙止まらないよ
わたしなんでもっと早く言わなかったん
だろ…?馬鹿すぎ……
秀はもっと俺に素直になりなさいって
頭をぽんぽんって叩いた。
「う〜っ!
じゃあ、わったしの・好きなとこ
教えてください…ひっく!」
秀は溢れ出るわたしの涙を
あの日と同じように優しくぬぐって
くれた。
一つ 一つの仕種から優しい愛を感じる。
「真面目なとこ、一生懸命なとこ、
優しいとこ、鈍感なとこ、
自分に素直なとこ、可愛いとこ…
言ってったらきりないよ。
全部!」
秀が明るい笑顔で笑った。
わたしもつられて笑顔になる。
今までの不安なんてどこかへ消えた。
今はまっすぐ、秀がすき。
「はるも俺の好きなとこ言ってよ」
今度は意地悪な笑顔でわたしの顔を
のぞきこむので、思わずキュンとして
顔が熱くなる。
「やきもち焼きなとこ以外かな?」
「そこは全部って言ってよ…」
秀はふくれてしまったけど
本当はやきもち焼きな所が1番好き。
でもそんなこと言ったら秀は
もっとやきもち焼きになっちゃいそう
だからこれは内緒にしておくことにする。
「これからまた俺に隠し事したりしたら
ただじゃおかないから!!」
あまりにもタイミングのいい
秀の言葉にエスパー?ってわたしはまた
笑顔になった。