やきもち王子


「待った!!」

わたしが島田くんの手をとろうとした時、
舞台に声が響いた。



ある意味予想通り、



秀でした……




秀は走りよってくると
わたしの前にひざまずいて手をさしだした。


「姫、わたしと踊って下さい!」


……一応 名前だすなっていうのは守って
くれたみたい…ならなんでもう一つのことは覚えてないのー!?泣


変なことは言わないでって言ったのに!


秀を泣きそうな目で見ると、
なぜか眉をよせていて……ご立腹?

え、なんで?!


「姫、わたしと踊って下さい!!」

秀はさっきより大きな声で言った。


え、え!?

わたしどうしたらいいの!!?
ここは予定通り島田くんの手をとるべき?


おそるおそる島田くんの手をとろうとする
と秀が小さな声で、


「はる、俺のこと選んで…?


俺より島田を選ぶの?」


秀の声は泣きそうにも聞こえて、でも怒ってるようにも感じられた。


秀の視線に顔が赤くなる。


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