やきもち王子
な、な……
「なんでいるのー!?」
よりによって最低最悪のヤツがいた。
わたしが出会った人の中で
史上最悪の空気の読めない、っていうか
読もうともしないドS自己中男!!!
わたしの兄・爽 である。
「そそ・そー兄!!?なんでいるの!?」
わたしが爽兄がいるなんて思ってもなかったのは、この兄はバイトやらサークルやらでほとんどこんな時間にいることはないからだ。
それが何で今日に限っているのよ!?泣
「おい、俺の質問を無視すんじゃねぇ」
爽兄もわたしの言うこと無視してるんですけど…なんて言葉はこの大魔王には通用しないことは長年の経験でみにしみている。
「いや、な・なんでもない!」
今日は秀に帰ってもらおう。
そーっとドアを閉めようとした。
−ガッ
ひいいい!!!
悪魔のような笑みを浮かべた爽兄は
わたしの行動を阻止して、思いきりドアを
開けた。
ぎゃー!!!
「は、る?」
門の所に不思議そうに秀が首をかしげて
立っている。
それを見たとたん絶対爽兄は笑ってる、
と背中から感じる大魔王のオーラから
見えなくてもわかった。
逃げて 秀ー!!