オレンジとオレンジ
『いってきます。』

誰も居ない家に私は言った。

お母さんは朝から出掛けている。いつもの事だ…。

キーンコーンカーンコーン………

チャイムと同時に学校に着いた。

事務室に行って担任の紹介がされた。私のクラスは2年A組らしい。

担任の後について行き、教室に着いた。

廊下に居ても聞こえる。ちょっとうるさいクラスだな、そう思った。


ガラッ

勢いよくドアが開けられ、教室内は静かになった。

『はーいっ、今日から転入してきた矢内だ。では、自己紹介してくれ。』

『はい、矢内杏です。佐賀県から来ました。よろしくお願いします。』

毎回これで終わらせる。

すると

『はいはーいっ矢内さんって彼氏いるんですか?』

っへ?

『ナイスッ翼。俺も気になってたんだよね』

こんな事を聞かれたのははじめてだ…。

一応

『いません。』

へぇーっと言いながら皆は翼という人の方を向いてニヤニヤ笑っている。

『よかったぁ…仲間が出現っ!』

何なんでしょうか、この人達は…
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