超短編集
サーカスの象
ある動物園が不況の煽りで閉園となった。動物のほとんどが違う動物園に引き取られたが象だけ引き取り手が見つからずにいた。
このままではあえなく殺処分になってしまう。飼育員は頭を悩ませる日々が続いた。
そんなおり飼育員の目にサーカスのチラシが止まった。
これだ。
飼育員は急いでサーカスに連絡した。
後日サーカスの代表と話の席を設ける事が出来、その日を迎えた。
しかしサーカスの代表は象なんていらなかった。何故ならサーカスは既に二頭の象を抱えていたからだ。出来る事なら上手く断りたかった。
サーカスの代表は飼育員に言った。
「何か芸は出来ますか?」
「はい。コイツは玉乗りが出来ます」
代表は小さく唸る。
「他には?」
「絵を描く事が出来ます」
事の他、芸達者な象だ。もし簡単な芸だけなら容易く断れたが……。
代表は良心が痛んだが最後に、諦めてもらうため無理難題を押し付けた。
「うちのサーカスは国際的でね。喋れない象はいらないんだ」
飼育員は小さく笑った。
「喋れますよ」
象は鳴いた。
「ワン」と。
このままではあえなく殺処分になってしまう。飼育員は頭を悩ませる日々が続いた。
そんなおり飼育員の目にサーカスのチラシが止まった。
これだ。
飼育員は急いでサーカスに連絡した。
後日サーカスの代表と話の席を設ける事が出来、その日を迎えた。
しかしサーカスの代表は象なんていらなかった。何故ならサーカスは既に二頭の象を抱えていたからだ。出来る事なら上手く断りたかった。
サーカスの代表は飼育員に言った。
「何か芸は出来ますか?」
「はい。コイツは玉乗りが出来ます」
代表は小さく唸る。
「他には?」
「絵を描く事が出来ます」
事の他、芸達者な象だ。もし簡単な芸だけなら容易く断れたが……。
代表は良心が痛んだが最後に、諦めてもらうため無理難題を押し付けた。
「うちのサーカスは国際的でね。喋れない象はいらないんだ」
飼育員は小さく笑った。
「喋れますよ」
象は鳴いた。
「ワン」と。