振り向け ~強引なkiss~
結局、腕を放してもらえず、俺はパンダ女と一緒に帰るはめになった。
隣でいくらうるさく話をされても、その声は全く俺の頭に入ってこない。
俺の頭の中は、美保のことでいっぱいだったから。
今頃、謙二郎とどこにいるんだ?とか……。
謙二郎とキスはしたのか?とか……。
さっき、どうしてあんなに寂しそうな顔をしたんだ?とか……。
頭の中はそんなことばっかりで。
「ちょっとお!
望ぅ、ちゃんとアタシの話聞いてるの!?」
……聞いてるわけねーだろ。
お前なんかの話なんざ、聞くわけねー。
……お前じゃない。
俺の隣はお前じゃない。
俺の隣にいていいのは、アイツだけ……。
……美保だけなのに。