振り向け ~強引なkiss~
忘れ物を探すふりして、机の中をゴソゴソあさる。
いつまで探したって、何も出てくるはずないのに。
2人きりの教室は、妙に緊張する。
「……あのさー」
「んだよ」
不意に美保が口を開いた。
「……望もできたんだね、彼女」
「は?」
俺は窓に寄りかかって立っている美保を見た。
「……杉村さん」
杉村?
……ああ、あのパンダ女のことか。
……って、はァ!?
アイツが彼女!?
いつから!
つか誰の!
ありえねー!!!
「望、前から仲良しだったもんね、杉村さんと。
良かったじゃん付き合えて。
オメデトー」
前から仲良し……?
いやいやいやいや、ないから。
あのパンダ女が一方的に近付いてきただけで、俺的には迷惑だったんですけど。
ていうか……。
「『オメデトー』?
なんだよテメェ、その言い方。
超うぜー」