君と共に
1
寒さも本格的になってきた1月の終わり。
雪が降ってもおかしくないってくらいの冷え込みで。
でも、空を見ると快晴で、しかも暖房の効いた教室にいると、うっかり、『もうすぐ春だなぁ~』なんてまどろみたくなってしまう。
そのくらい教室の中は暖かいのに!
なんで、男も女も窮屈そうにヒーターの前に固まっているのか…。
少なくとも、私は膝掛けも必要じゃないし、『春だなぁ』ってまどろむくらいの暖かさを感じてる。
あたしがおかしいのかなぁ?
チラッと前の席の私の友人に目を戻す。
「なぁに?」
あたしの視線に気付き、携帯から顔を上げる紗結。
「彼氏?」
「うんっ!今日一緒に帰るんだ」
肩の辺りからふんわりと巻いてある、栗色の長い髪を揺らしながら、嬉しそうに紗結が微笑む。