君と共に
助かった……
「あとで詳しく聞かせてねっ」
小声で紗結があたしに耳打ちしてから席に戻って行った。
詳しくって言われても困るんだけどなぁ。
とりあえず、先生ありがとう!
―――――――
―――――
休み時間毎にあたしに昨日の事を聞きたそうにしているみんなから逃げて、やっと昼休み!!
「杏奈ー、ご飯食べよ!」
「紗結!屋上行こ!てか、教室から出よう!!」
昼休みにみんなに掴まったら、ただじゃ済まない。
あたしの必死な申し出も虚しく。
「はぁ?寒いから嫌だよ」
紗結の冷たい一言で却下された。
渋々、自分の席でお弁当を開く。
紗結も、前の席の椅子をこちらに向けて座り、お弁当を開いた。