君と共に

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「紗結ー!帰ろ~」


すごく長く感じた1日が終わった。

あたしは早く家に帰りたくて。
昨日みたいに一人で帰っても良かったんだけど、また『あいつ』に会うのが嫌だった。

いつもいつも誰かが助けてくれるわけじゃないから。

それに、お昼。
一仁と奏太が自分たちの教室に帰って行ったあと。

「あんまり一人にならないようにね」


って。
あたしを昨日一人にした張本人から言われてしまった。



「待って、待って!」


紗結が自分の鞄を持って、ドアの近くまで歩いていたあたしに駆け寄ってくる。

横に並んで、こちらに満面の笑み。

あたしも笑顔で返してみたけど、ちょっとキュンってなっちゃったじゃない!


「そうゆう顔は奏太の前でしないと。」


じゃないとみんな勘違いしちゃうよ?


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