君と共に
「……何あれ?」
「ん?ああ。
あいつは放っといていい」
あたしの問いに、奏太はサラッと答えて玄関の方へ歩を進める。
「「そうだねー」」
紗結とあたしは同時にそんな事を言い、奏太の後を歩き出した。
「――…あっ!おいっ!!待てよ!」
一仁があたしたちに追いついた時には、あたしたち三人は靴を履き替え終わっていた。
やっと追いついてきた。
みんな同じ気持ちで振り向いたんだろう。
「お前ら酷ぇな」
一仁はあたしたちを一瞥して、そんな事を言いながらも、素早く靴を履き替え、奏太の隣りに並んだ。
「いたんだ?」
奏太が今気付いたみたいな顔で言う。
「お前がおいてったんだろ!?」