君と共に
4
4人で他愛もない話をしながら歩いていたら、あっとゆう間に昨日信吾に会った場所に差し掛かった。
無意識に、辺りを見回して。
信吾の姿が見えないことにホッと息を吐く。
「…杏奈?」
紗結が心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「此所だったのか?」
「うん……。
あ。大丈夫だよ!みんなしてそんな顔しないでよー」
アハハー。
笑って、立ち止まってしまった紗結たちを駅の方へと誘導する。
存外にみんな心配顔で。
なんだか申し訳ない気持ちになる。
「んもうっ!
……あっ。噂の彼いないのかな?」
噂の…って。
助けてくれた人?
頭の中で、紗結の言葉を反芻する。
……それが目的だったの!?
「違うわよー。杏奈が心配なんだもん。ね?」