君と共に
「ん~と。名前だっけ?
俺は搭堂 蓮(トウドウ レン)。レンでいい。」
「……レ、ン……?」
あたしは名前を反芻する。
それを聞いた目の前の男、レンはにっこり笑った。
「んじゃ。もう知り合いだな。
て事で、杏奈。一緒に来い。」
はい?
言われた意味がわからなくて、あたしは首を傾げる。
「…黙って聞いてりゃ、何様のつもりだ?
お前なんかと行くわけねぇだろ。」
それまで黙っていた一仁があたしとレンの間に立って、捲し立ててるんだけど。
レンはそんな事、ものともしない感じで。
「誰もお前なんて連れてかねぇから安心しろ。」
見下す様に言われた一仁の体が小刻みに震えている。