君と共に
「……テメェ…っ。
杏奈!こんな奴放っといて行くぞ」
お前らも!
とか言いながら、一仁は踵を返す。
それに習って、奏太も歩き出そうとするけど。
紗結は一向に動く気配なし。
「ええ~」
なんて口を尖らせている。
でも、ここは紗結を引っ張ってでも帰った方がいいよね。
てか、帰りたいし。
「そゆことでっ!じゃっ!!」
あたしはレンに素早く挨拶をすると、紗結の方へと向う。
そしてそのまま帰るっ。
…………筈だったのに。
「ハァ。
じゃあこれは要らないな。せっかく拾ってやったけど、捨てるか。」
ハァ。
あからさまな溜息を吐くレン。
あたしは何にも落としてないし関係ないもんっ!