君と共に
「あんたねぇ!勝手な………」
事ばっかり言わないでよ!
って続く筈だったのに。
「あぁぁーーーーーーーー!!」
あたしの視線はレンのもっている物に釘付けになる。
後ろで『今度はなんだよ?』なんて聞こえた気がしたけど。
今はそれどころじゃないのっ。
それは。
お祖母ちゃんの形見とも言える物で。
朱色の紐がねじってある先に藍色と白の毬にちっちゃい鈴の付いたストラップ。
その紐の部分を持ってるものだから、チリンチリンと音を立てる。
ずっと携帯に付けておいた筈なのになんで!?
そういえば。
昨日は携帯に付いてたっけ?
考えれば考える程、あたしの記憶は曖昧で。
すっごく大事なモノなのに、落としても気付かなかった事に自己嫌悪を覚える。