君と共に
5
レンについて少し歩く。
「どこ行くの?」
あたしの家、逆なんだけど。
「ここ。」
ここ?
う~んと。
このお店に入りたいとか?
あたしがいっぱい疑問符を浮かべていると、突然バタンっと車のドアが閉まる音がして。
目の前の高級そうな車から30代くらいの男性が出て来た。
レンと同じくらいの長身で、ビシッとスーツを着こなしている。
「木山。この子送ってくから。」
「はい。
……どうぞ。」
木山とよばれた男性は、優雅な仕草で車のドアを開ける。
綺麗な顔立ちをしているが、無表情で何を考えているかわからない印象を受ける。
二人の様子を眺めていたあたしだけど、ふと我に返る。
「………は?」