君と共に


「はぁ…。
俺の言ったこと分かってないだろ。」


覗き込んでいた顔を上げ、大袈裟に溜息を吐くレン。


レンの顔が離れたことにホッとして、顔を上げようとした。

したのに。


「もっと自覚しろっつーの。」


そう言ってポンッてあたしの頭に手をおくもんだから。

あたしは、何を『自覚』するのかなんてわからないまま、先程よりもさらに顔が熱くなっていくのを感じるしかなかった。


「わかった?」


恥ずかしさに俯いたあたしにレンの声が届く。

不思議とこの空気は嫌じゃない。


「……わかった。」


「わかってねぇだろ。」


「わかったって」


「わかってないね」


実際わかってないけどね?

わかったことにしてくれないかなぁ。

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