君と共に
「あんた何大声出してんのよ。」
ガチャッと玄関が開くのと同時に呆れ返った声が私たちのバカげた言い合いに終止符を打ってくれた。
それは良いんだけど。
「お母さんっ。ビックリするじゃん」
あたしは玄関に背中を向けてたものだから。
ビックリするでしょっ!
「……あら。杏奈の母ですぅ。かっこいいわねぇ」
ウフフ。
って、いい歳して頬をピンクに染めるのどうかと思うんだけど。
お母様?
「搭堂蓮です。
遅くに申し訳ありません」
いやいやいや。
あなたも笑顔で挨拶してる意味がわからないんですけど。
「あら~。
挨拶までしっかりしてるなんてさすがね。杏奈」
もう嫌だ。