君と共に


自分の席に鞄を置き、携帯を取り出す。


チリンッと音を立てて、ここにあると主張するストラップ。

それを見て自然と顔が綻んでしまう。


おばあちゃん――


「……おい。何ニヤけてんだよ」


見られてた!?


反射的に声のした方に顔を向けると一仁が。


………ん?


「一仁、風邪でもひいた?」


ちょっと顔を赤くしてたから顔を覗き込んでみた。


「――っ。…バッ!違ぇよ!!」


焦った声と共にバシッと頭に衝撃が走る。


「痛っ」


なんで叩かれなきゃいけないの!?

思わずしゃがみ込み頭を押さえて一仁を睨みつけた。


きっと涙目だろうけど。



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