君が眠れば
クロレラは目を伏せた。
静かに俯く。
肯定ではない、沈痛。
彼女の小さな唇が、弱々しい声を発した。
「あの人は、来るなと言った」
「……アイツは、たぶんもう長くないよ。来るなって言われて……それで行かなくて、平気?」
来るな、という言葉。
それにはいくつも理由があるのだろう。
最期を見せたくない、という気持ち。
彼女も抜けることでの戦力ダウンを案じる気持ち。
けれども、クロレラは、傍にいたかった。
最期を、見届けたかった。