君が眠れば

「どうしたの?」

「たぶん嫌だって言うと思う。聞きたくないって。でも、言わせてくれるかな」

「嫌だってわかってるなら言わないで」

「でも、言わせてほしい」




聡い彼女はきっとある程度の内容を、予測している。


未来の話。


それは夢のある話のようで、今の二人にはもっとも残酷な話だった。


クロレラは結局黙ってしまい、けれども小さく、首を縦に振った。

イエスとは、言わないけれど肯定はする。

< 15 / 27 >

この作品をシェア

pagetop