君が眠れば
「墓標のこと、なんだけど」
「やめて」
「石とか、木とか、そういうんじゃなくてさ」
「やめてよ」
「クロレラさえよければ、なんだけど」
「やめてってば!」
予想し、覚悟したよりもリアルな未来にクロレラは首を振った。
戦場に立つときに一緒に決意したはずだ。
いつどこで誰の命を失おうとも、耐えていかねばならないと。
けれども、ガラも、彼女も、こんな形で失う瞬間を待つ日が来るとは、思わなかった。
「キミの剣を、くれない?」