君が眠れば
ごめんなさい。
私がしたことが決して許させることじゃないなんてこと、知っている。
ただのエゴ。
私が見ていたくなかっただけ。
結局彼に問うことはできなかったから、その勇気がなかった私に、こんなことをする権利はなかったのだと思う。
それでもね、ルー。
見ていられなかったの。
ごめんなさい。
約束は、守るから。
そして、貴方の愛したこの国を、守って見せるから。
……だから、今日だけは許してください、神様。
この涙を流すことを。
言葉に出来ない願い。
けれどもそれは風に乗って空に溶けた。
ゆるやかに、穏やかな空に。