君が眠れば
終戦の知らせが響いたのは、開戦から2年近くが経ったころだった。
南部エキドナが、ガイアを属国としたことで戦況は一変した。
南部エキドナはもっとも大きな国だ。
近頃は穏健派が主流で進んで戦をするということがなかっただけに、その行動は意外ともいえるものだった。
しかも、属国という形ではあるが、ガイアには自治を認めるなど破格の扱い。
これには、北部エキドナ軍どころか、ガイアの民すら驚いたと言う。
もちろん、軍の中でもこの話は寝耳に水状態で、終戦を喜ぶ声も多いが戸惑いを隠せない、というのが実情である。
そんな中、アレッシュはガラの家へと向かった。
そこがからっぽだということは予測して。