君が眠れば
「俺は嬉しいと思うさ。確かに、ガイアという国はなくなったけれど、あの場所は守られた」
きっと、この下に眠る男も同じ答えを出すだろう。
守りたかったのは故郷だ。
蹂躙され搾取されることを拒んだ聖なる土地。
「だから、恥いることはなにもない。おかげで、この国は救われた」
相変わらず、アレッシュは墓に向かって話しかけている。
けれども、その言葉の矛先に気づいたクロレラは、小さく息を呑んだ。
それでも、姿を現すことも、声を発することも拒んだ。
土地は救った。
けれど、国を滅ぼした。
「お疲れ様。……おやすみ」