君が眠れば
悪魔は、英雄は、静かに戦場を去った
再びのぶつかり合いは予期したほどすぐではなかった。
再びの戦闘を、しばらくガラは後方で傍観した。
整えられた軍備。
こちらの気の緩みを狙ったのだろうが、生憎と一週間の猶予はこちらに利を与えた。
元々数の上では圧倒的に不利なのだ。
傷を癒し、軍備を整える時間を与えられたのは幸運。
けれど三日と続く戦闘に兵の疲労を見て、ガラも出ざるを得なくなってしまった。
援軍は、期待できない。
自分の体も過信できない。
これで、終わらせる。
「クロレラ、出る」
「了解」
応える声が常と変わらぬことに安堵した。
彼女が変わらぬのなら、自分はまだ戦える。
まだ戦は終わらぬだろう。
けれどせめて、この場所を守れば。
己が、屠れば。