あの恋を、もう一度。

依頼

青山にあるデザイナーズレストラン

「まさかあんたまで来るとはな」

なつきといっしょに来たこの中尾は上原
化研の専務、上原化研は上原なつきの父
が作った会社で化粧品の研究開発をして
いる、かなり有名所の下請けもしていた
ことは記憶している

「私がお嬢様に無理を言って、君をここ
まで呼んで貰いました。もちろんこのこ
とは社長も了承済みです。」

中尾は横目でなつきを見た

「はい…」

「実は…父が、去年の年末に亡くなりま
した。それで…」

俺の頭の中は？マークでいっぱいになった、
この二人は俺になにをさせるつもりでここ
に呼んだ、なにが言いたい。

「ちょっと待て、今中尾さんが俺をここに
呼んだのは社長も了承済みだと言ったけど、
去年の年末に亡くなってるのにどうやって
了承するんだ？」

俺の質問に中尾がすぐ割り込んで来た

「それについては私がお話します。昨年末
に社長がお亡くなりになり、遺書の通り会
社の経営権は唯一身内であるなつきお嬢様
に移譲されました。しかし、役員会や一部
の株主がこれに猛反対しているため年初か
ら混乱が収まらず、借入先も挙って借金取
りのように押し寄せて来ました。このまま
では倒産しかねません。」

そういうと中尾はグラスに入っているワイ
ンを一気に飲みほした