海よりも深い
いつもはなっちゃんが一緒に行くのを嫌がるから拓海と二人で登校するけど、俺は今日だけは押し切ってなっちゃんと一緒に家を出た
ほんの数分後からは拓海も入って珍しい三人での登校だった
「はよー、なっちゃん今日は春夜に朝のチュー奪われてない?」
「はよ、なっちゃん最近ガード固いから触ったら殴られんだよ」
朝からいちいち余計な事を言いながら俺と拓海が挨拶をするとなっちゃんは周りを気にしつつ耳まで赤くなってプンプン怒ってる
「バカじゃねーの?だから一人で行きたいんだよっオモチャにしやがって」

「「か~わいー」」
俺と拓海が声を合わせて怒っても可愛いなっちゃんを褒めると、身内の遠慮の無さで俺にだけ蹴りが入った

「可愛いとか嬉しくないっつの!」


あぁ・・・平和で楽しい朝。これは嵐の前の静けさってわかってるだけにこのまま学校に着かなきゃいいのにって気になる 逃げ腰な俺
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