海よりも深い
とりあえず一緒に登校したのは、今日は極力なっちゃんに一人の隙をつくらせたくないからだったけど、学校に着いてしまえばもう学年が違うって時点で別行動・・・巻き髪の方が俺よりなっちゃんの近くで一日を過ごすことになる

学校に着くまでの距離が短くなるにつれて自然と口数が減ってく俺と対照的に拓海はここぞとばかりに探りを入れていた
「なっちゃんてどんなんがタイプ?ギャル系とかどう?」

俺は平静を装いながらも拓海のわりとストレートな聞き方に冷や汗かいた

「ギャル系ねー、あんま好きくねーけど、タイプって言われてもわかんね」

あんまり好きくない、って言葉にホッとするものの・・・

「へー、でもなっちゃん割りと押しに弱そうだよな?」

って拓海がさりげなく巻き髪にガンガン迫られた場合のパターンを探ると、何も知らないなっちゃんは笑いながら

「あー、あるかもなー」

・・・とか言うから
「勘弁してください」
俺は思わずなっちゃんに聞こえない様に口走ってしまってた・・・
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