海よりも深い



イヤでも今日がきたように、イヤでも学校には着く

「じゃーな、俺こっちだから」

げた箱から通路を進んだ分岐点でなっちゃんだけが三年の教室へ行く為別れる

「ん、またなー」
拓海はひらひら手を振って既に一年の教室側に向かってた
俺は悪あがきと思いつつ、なっちゃんの手を取って真剣に言った
「なっちゃん今日なるべく早退してくれよ」

なっちゃんは首をかしげて俺にいきなり繋がれた手の方を気にしてる
「俺どこも体調悪くねーよ」
俺の手をぶんぶん振り放して、今度こそ本当に教室に向かった
遠くから振り返って
「おまえこそ調子悪いなら無理すんなよ」

って言ってくれる可愛らしさには涙が出そうだ
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