海よりも深い

俺より一足先に教室へ行ったはずの拓海が、入り口のところでドアにもたれかかってた

「？んだよ拓海、入んねーの？」

俺に気付いた拓海は手でストップの格好をして、俺が教室に入るのを止めた

「春夜、あの女マジでちょっとキてんじゃね？」

―――？？

そこに、うちのクラスの女の子が二人教室から出てきて、俺を見つけると駆け寄ってきた

「春夜くん今彼女イラナイんじゃなかったのー？！」
「実は年上狙いだったワケ？あんな女がタイプなんて幻滅だよっ」

「？？え、ちょっと何？」

俺は二人に同時にキャンキャン言われてワケがわからない

拓海は横で「あーぁ」って顔をしてる

何？何なんだ？