海よりも深い
「・・・べつに」
それだけ答えてまた黙り込む俺。
ちっちゃいため息が聞こえて内心ドキっとした。
呆れて出て行くと思った
慌てて壁に向いてた体を起こすと、ベッドの端になっちゃんが座ってた
「!」
目が合って、なっちゃんが出ていくと思い跳び起きた俺はめちゃくちゃ恥ずかしかった

「春夜、もしかして母さんが俺のことばっかりかまうから怒ったのか?」
なんでなっちゃんがそんな申し訳なさそうな顔するかなぁ・・・なんか見当違いなこと言ってるし
「ちがう・・・」
どっちにしろ、俺だって子供っぽいことで機嫌悪くなってんのは解ってた
「・・・なっちゃん中学行ったら俺と遊んでくれなくなるだろ」
言いながらバカみたいだと思う。

途端、なっちゃんは一瞬ビックリした顔して、それからめちゃくちゃ笑った
あーそーだよ、つまんないコトでバカみたいだよ、俺

「俺が中学行っても毎日遊ぼうな、兄弟だろ、俺ら」
まだ笑い足りないって感じで俺の頭をポンポン叩いてなっちゃんが言った

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