海よりも深い
怒るか、引くか、キモチ悪がられて明日から避けられるか・・・
笑って流される以外ならいい
覚悟はした
俺のことをそんな対象で見てないのは百も承知の告白だ

沈黙が流れて、二人ともピクリとも動かない

なんか、なんでもいいからリアクションくれよ・・・なっちゃん


「俺は・・・」
ようやく出た、って声でなっちゃんが口を開く
俺は黙って続きを待った

「俺・・・は、お前の兄貴で・・・」

―――わかってる

「男・・・だし」

―――うん、わかってるよ 痛いほど

「お前がそんな風に俺のこと思ってるとか全然知らなかったし・・・」

―――うん、知られないようにしてたから
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