海よりも深い
「・・・」
テレビはグロい画面と音が展開されてるまま、なんか変な感じだけど目があったまま動けないなっちゃんが見る見る真っ赤になっていく
でっかい目が更にでっかくなってる

「・・・なっちゃんは?」
ズルイよな、俺
コクった時に『言いたかっただけ』とか言っといて
でも欲が出る。

「俺はやっぱり弟でしかない?」
この聞き方もズルイ。わかってるけど・・・

「・・・んなこと、急に・・・」
なっちゃんが苦しそうな表情をして俯きかけたけど俺は掌の中に包めそうな小さな顔の頬に手を添えて俯くことを許さなかった
「急にじゃないよ、本当はコクってからずっと聞きたかった」
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