海よりも深い

寝室

「ただいま~」
部活は何もしてない俺は帰るのも早い。スポーツは嫌いじゃないし体格もいい方だから入学してから二学期になった今でも先輩方からいくつかお誘いはあるもののどこにも入ってないのはもちろん、なっちゃんが帰宅部だから。
俺って病的

「おかえり春夜、ちょっと母さんお隣行ってくるからお留守番お願いね」
玄関でちょうど出かけるところの母親に出くわす
「へーい。夏海は?」
「帰って来てるから部屋に居るんじゃないの?」
と言って出掛けた



「なーっちゃん」
そっとドアを開けると読書中。読んでるのはマンガだけど
「おー、お帰り。つかノックしろ」
ちゃんと視線をマンガから外してお帰りとか言ってくれちゃうとこが可愛いっ
「何読んでんの?」横から覗き込む。と、ラストページ
「もー読んだ。読む?」
ほい、と渡される
「あんがと」
・・・マンガはどーでもよくて近寄りたかっただけとは言えない
「目ぇ疲れた~眠い・・・」
「晩飯まで寝とけば?起こしてやるから」
「んー・・・じゃそーする」
動くのもダルそーにベッドまで行って倒れ込むよーに寝に入る
なっちゃんは昔から寝付きが異常にいい。
「おーい、なっちゃん?布団かけて寝ろよ」
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